【2023年最新版】植物エキスは本当に美容効果アリ?現役化粧品研究者が徹底解説!

植物エキスは様々な化粧品に配合されていますが、果たして本当に美容効果があるのでしょうか?今回は植物エキスの効果の真相について、現役の化粧品研究者が徹底解説します。
なつなつ(化粧品・皮膚科学の研究者) 2023.03.06
誰でも

近年ではプチプラからデパコスまで様々な化粧品に植物エキスが配合されるようになりました。特に植物由来の成分は肌に優しいイメージがあり、オーガニックコスメとしても高い人気を誇っています。

一方でこのような植物エキスを多く含む化粧品は価格が高い傾向にあり、本当に値段に見合う美容効果があるのかどうか疑問に思っている方も多いのではないでしょうか?

そこで本記事では現役の化粧品研究者である筆者が、化粧品に配合されている植物エキスの美容効果の真相について徹底解説します。

  • 植物エキスに美容効果はあるのか?

  • 優秀な植物エキス配合化粧品の見分け方

  • 植物由来成分を使用する際の注意点

主に上記の内容について分かりやすく解説します。

近年のオーガニック志向も相まって、植物エキスなどの天然由来成分の人気が高まっています。しかしこれらの成分を使いこなすためには、科学的根拠に基づく正しい美容知識が必須です。

ぜひ本記事で植物エキスの美容効果について学び、ご自身のスキンケアに活用してみてください。

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植物エキスに美容効果はある?

早速ですが今回の本題である植物エキスの美容効果について解説していきます。

高級な化粧水や美容液などでは「◯種の植物エキス配合」といった表記を見ることが多いですが、果たしてこのような植物エキスには本当に美容効果があるのでしょうか?

結論としては、確かな美容効果を有する植物エキスは間違いなく存在すると言えると思います。ただし本当に効果があるかどうかについては、植物エキスの研究データ化粧品の全成分表示の見極めが必要です。

以降では上記2つのポイントを踏まえながら、植物エキスの配合量と配合目的に着目して植物エキス成分の見極め方を解説していきます。

植物エキスの配合量

成分の配合量は化粧品の効果を見積もる上で非常に重要です。ではそもそも化粧品中にはどの程度の量の植物エキスが配合されているのでしょうか?

植物エキスの配合量を知る手掛かりとして、化粧品の裏面などに記載されている全成分表示があります。植物エキスを配合している化粧品に多くみられる全成分表示は、例えば以下のようなものでしょう。

photo from Natsu

photo from Natsu

全成分表示の中盤以降に複数の植物エキス成分が列挙されており、ヒアルロン酸Naやセラミドなどの保湿成分、防腐剤や増粘剤の近くに表示されています。

このような全成分表示の場合、配合されている植物エキスの濃度はほぼ確実に1%以下と言えるでしょう。防腐剤や増粘剤は1%以上配合されることはほとんどありませんし、ヒアルロン酸Naやセラミドなども配合量は少ないためです。

そもそも植物エキスを配合している多くの化粧品では、エキス成分が1%以下しか配合されていません。恐らく1%以上配合されることの方が少ないと思います。

植物エキスは原料価格が高価であり、基本的に化粧品中に多量に配合することが難しい成分です。このような観点から、ほとんどの化粧品では1%以下の配合量となっています。この点はぜひ覚えておきましょう。

植物エキスを配合する目的

そしてもう一つ、植物エキスの美容効果を理解する上で重要なのが配合目的です。

あまり一般には知られていませんが、(良くも悪くも)化粧品メーカーが植物エキスを配合する目的には主に以下の2つがあります。

  • 本当に植物エキスの効果を狙って配合する

  • コンセプト成分として配合する

一つは、植物エキスの美容効果を期待して化粧品に配合するという至極真っ当な目的です。しかし実は、植物エキスをコンセプト成分として配合することもあるという点は、皆さんにも知っておいて頂きたい情報です。

コンセプト成分というのは、配合していることを示すための広告的な成分と捉えて頂いてOKです。つまり美容効果は見込めないけれど、実際に配合していれば「◯◯エキス配合」と表示できるため、そのために植物エキスを配合しているということです。

微量でも入っていれば良いわけなので、必然的に配合量も少なくなります。このようにコンセプト成分として植物エキスを配合する場合は、植物エキスの美容効果は見込めないと考えて良いでしょう。

現在使用している化粧品が本当に植物エキスの効果を狙って作られたものなのか、あるいはコンセプト成分として植物エキスが配合されているだけなのかを見極めることが、植物エキスの効果を理解する上で最も重要なポイントです。

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植物エキスを含む化粧品の見極め方

このように基本的には植物エキスは化粧品中に1%以下の少量しか配合されず、さらにコンセプト成分としてごく微量配合されることもあります。

このような状況で、本当に植物エキスに美容効果があるのか不安に思った方も多いと思います。しかし皆さんに誤解して欲しくないのは、植物エキスの効果をしっかりと引き出すことを目的に作られた優秀な化粧品も間違いなく存在するということです。

以降ではこのような優秀な化粧品を見分けるポイントについて、具体的に解説していきます。

まず個人的な観点も含みますが、植物エキスを含む優秀なコスメを見分ける方法としては以下の2つのポイントがあると考えられます。

  • 植物エキスの研究データが公開されている

  • 配合されている植物エキスの種類が少なめである

一つ目は、植物エキスの研究データが公開されているという点です。

例えばこちらの資生堂のニュースリリースで報告されているバラ科由来の植物エキスは、E-カドヘリンという皮膚組織の恒常性維持に重要なタンパク質の発現量を増加させる研究データが公開されています。

このように化粧品メーカーや原料メーカーの技術資料において研究データが公開されている植物エキスは、その植物エキスの美容効果をしっかりと狙って配合されている製品が多いと考えられます。

そしてもう一つは、植物エキスの配合種類が少なめであるという点です。

これは個人的な感覚にはなりますが、配合されている植物エキスが大体3つくらいに限定されていれば、その植物エキスはコンセプト成分ではない可能性が高いと思います(ただし必ずしも全ての製品には当てはまりません)。

先ほども少し解説しましたが、植物エキスの原料というのは非常に高価であり、そもそも有効濃度の植物エキスを化粧品中に何種類も配合するということが現実的ではありません。

特に10種類程度の植物エキスが配合されている化粧品では、全ての植物エキスが価格に影響を与えない程度のごく少量しか配合されていないと考えるのが妥当です。

また植物エキスの配合量が増えると、植物エキスの抽出成分などの影響で化粧品の安定性も悪くなることがあります。出来る限り植物エキスの種類を絞るか、種類を増やすのであれば処方安定性に影響を与えないごく少量を配合するのが一般的です。

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植物エキスの成分表示を解読する

では植物エキスを含む優秀な化粧品をどのように見分けていけば良いのか、具体例を示しながら見ていきましょう。例えば、先ほど示した植物エキスを含む化粧品の成分表示を再度以下に示します。

photo from Natsu

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この例では植物エキスが成分表示の中盤に7種類も列挙されており、いかにも効果がありそうな感じがします。製品パッケージにも「7種の植物エキス配合」と表記されているかもしれません。

しかし先ほどまでの解説内容に基づくと、このような成分表示の化粧品は恐らく植物エキスの効果を狙って作られておらず、多くの植物エキスはコンセプト成分として配合されていると考えられます。

化粧品成分表示のルールでは1%以下の配合成分は順不同で表示できるため、1%以下の成分の中で配合量を多く見せるために上側に植物エキスの表示を持ってきている、という考察も出来ます。

それでは以下のような成分表示の化粧品はどうでしょうか?植物エキスの種類が2つに減少し、成分表示の比較的上位にローズマリー葉エキスが表示されています。

photo from Natsu

photo from Natsu

このような成分表示であれば、少なくともローズマリー葉エキスは何らかの植物エキスの効果を狙って配合されていると考えて良いのではないかと思います。

ポイントは植物エキスの配合種類が少なく、植物エキス成分が比較的上位に表示されており、他の植物エキスと並列表示されていないという点です。

実際に調べてみると、ローズマリー葉エキスには0.2%の配合濃度で活性酸素の消去作用に基づくシワ・たるみの改善効果が確認されていることが分かりました。

引用:化粧品成分オンライン <a href="https://cosmetic-ingredients.org/skin-conditioning-miscellaneous/9026/">ローズマリー葉エキス</a>

引用:化粧品成分オンライン ローズマリー葉エキス

このようにローズマリー葉エキスには成分の有効性データが存在し、その有効濃度が化粧品にも配合されていると考えられます。このような成分表示を有する化粧品は、植物エキスの美容効果をしっかりと狙って作られた優秀なコスメであると言えるでしょう。

多くの植物エキスは化粧品中に1%以下しか配合されませんが、実は1%以下の配合量でも十分な美容効果を発揮するエキス成分がほとんどです。

植物エキスがコンセプト成分として配合されていないかどうかを見極めるために、エキスの種類と研究データに着目することがオススメと言えます。

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植物由来成分を使用する際の注意点

以上、植物エキスを含む化粧品を見極める方法について解説しました。成分表示を読み解くことで、完璧とは言えませんが植物エキスの効果や配合目的を見積もることが可能であると考えられます。

このように植物由来成分は高い美容効果が期待できるものもありますが、一方で使用時の注意点もありますので、最後に解説したいと思います。

突然ですが皆さんは化学合成で作られた合成成分と、天然由来の植物成分ではどちらの方が安全性が高いと感じるでしょうか?恐らく多くの方が「天然由来の植物成分の方が安全・安心」というイメージを持っているのではないかと思います。

しかし私はどちらかというと真逆の見解を持っており、むしろ植物成分の方が肌トラブルのリスクが高いと考えています。

植物エキスやエッセンシャルオイルなどの植物由来成分は、一般に植物原料からアルコールやオイルなどを用いて植物中の成分を抽出することで製造されます。

このようにして作られる植物由来原料には、正体不明の成分が多数含まれています。植物由来成分に含まれる全ての成分種を明らかにすることは、基本的に不可能です。

そしてこのような植物由来成分に含まれる未知の成分は、予期せぬ肌ダメージを引き起こすことがあります。

植物由来成分によって引き起こされる肌ダメージの一つに、アレルギーがあります。皮膚のアレルギー感作は、以下のように感作性物質が皮膚の免疫細胞に認識されることで発症します。

植物由来成分に含まれる未知成分は、アレルギー反応の感作源となる可能性があります。

かつて重篤なアレルギー症状で問題になった茶のしずく石鹸も、洗顔料に含まれている植物由来の加水分解コムギ成分が感作源になったことが原因でした。

厳密に化学合成がコントロールされた合成原料では、未知の不純物が発生するリスクが比較的少なく、上記のような重篤な副作用は起こりにくいです。しかし何が含まれているか分からない植物由来原料では、未知成分をコントロールする術が無いことからアレルギーのリスクが一気に跳ね上がります。

肌に優しいからという理由でオーガニックコスメを愛用している方も多くいらっしゃると思いますが、上記の観点から「植物由来=肌に優しい」とは全く言えないという点はぜひ理解しておきましょう。

植物由来の化粧品を使っていて肌荒れが中々治らないという方は、それらの化粧品の使用を止めてワセリンなどのシンプルケアにしてみると、ピタッと肌荒れが治まることがあります。

「天然原料だから肌に優しいはず」とイメージで決めつけるのではなく、エビデンスに基づいて正しい理解のもと植物由来原料を使いこなすことが非常に重要です。

ぜひ本記事の内容を参考に、皆さんも上手に植物由来成分を取り入れてみて下さいね。

***

まとめと編集後記

今回は、質問を頂くことが多い植物エキスの美容効果について解説しました。

化粧品に含まれている植物エキスが本当に効果があるのかどうかについては、化粧品研究者でも中々判断がつかないことが多いです。しかし成分表示を上手く解読することで、効果のある化粧品を見極める手掛かりが掴める可能性があります。

また植物由来の成分は、アレルギーのリスクなどをしっかりと考えながら使用していくことが重要です。実は肌荒れの原因が植物由来成分だったということもよくありますので、ぜひ皆さんも気をつけてスキンケアに取り組んでみてください。

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