「抗酸化」と「抗炎症」の違い、正しく理解してますか?
化粧品にも近年よく配合されるようになった「抗酸化成分」や「抗炎症成分」。今回はこれらの成分がターゲットとする酸化と炎症の違いについて、大学院レベルの内容を分かりやすく解説します。
なつなつ(化粧品・皮膚科学の研究者)
2021.03.08
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近年では抗酸化成分や抗炎症成分を配合した化粧品を非常に多く見かけるようになりました。これらの成分は肌荒れや老化を予防・改善するために非常に有効と言われています。
このように最近では我々も一般的に耳にするようになった「抗酸化」「抗炎症」といった言葉ですが、皆さんはこれらの現象の中身を正しく理解できているでしょうか?
私がここ1年くらいSNSを見ている限りでは、専門家を含めて酸化と炎症を混同して理解している、あるいは間違って理解している方を非常に多く見かけます。
そこで今回は皮膚科学における「酸化」と「炎症」の違い、そして「抗酸化成分」「抗炎症成分」の種類や特徴について解説したいと思います。大学院レベルの内容ですが、一般の皆さんにも分かりやすいよう解説致しますのでご安心ください。
今回の記事を読めば、抗酸化成分や抗炎症成分に対する理解が大きく深まるのではないかと思います。ぜひ本記事を参考に、酸化と炎症の違いについて勉強してみて下さい。
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酸化と炎症は全く異なるイベントである
まず最初に皆さんにはっきり申し上げたいのは、酸化と炎症は皮膚科学的に全く異なる現象であるということです。酸化と炎症は似たような現象として考えている方もいるかもしれませんが、それは明らかに間違いですので気を付けて下さい。