【2022年最新版】アゼライン酸の最新美容効果を化粧品研究者が徹底解説

アゼライン酸は幅広い効果を持つ優秀な美容成分です。今回はアゼライン酸の最新美容効果について、現役の化粧品研究者が徹底解説します。
なつなつ(化粧品・皮膚科学の研究者) 2022.10.03
誰でも

アゼライン酸は近年SNSを中心に人気が高まっている美容成分です。特に脂性肌混合肌の方に非常にオススメの美容成分であり、化粧品研究者である筆者もまさに現在使用しています。

アゼライン酸は非常に幅広い美容効果を有しており、老若男女問わず高い美容効果を発揮します。一方で日本ではまだまだマイナーな美容成分でもあり、アゼライン酸の解説記事は多くありません。

そこで本記事では現役の化粧品研究者である筆者が、アゼライン酸の美容効果や使用方法について論文情報などの科学的根拠を元に徹底解説します。

  • アゼライン酸とはどのような成分?

  • アゼライン酸の美容効果に関する最新研究

  • アゼライン酸のオススメの使用方法

主に上記の内容について分かりやすく解説します。

アゼライン酸は極めて優秀な美容効果を有しており、肌に合う方にはぜひ使って欲しい美容成分です。ぜひ本記事でアゼライン酸の使い方について学び、ご自身のスキンケアに取り入れて頂ければ嬉しく思います。

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アゼライン酸はどのような成分?

近年では、SNSを中心にアゼライン酸の人気が徐々に高まっているように思います。しかしそれでも日本ではまだまだマイナーな美容成分であり、アゼライン酸を配合する化粧品は多くありません。一方で海外ではアゼライン酸は化粧品にもよく配合されており、非常に人気のある美容成分です。

アゼライン酸は個人的にもかなりオススメの美容成分ですので、本記事を読んでいる皆さんにはぜひ知っておいて欲しいと思います。まずはアゼライン酸がどのような成分なのかについて、基礎知識から解説していきたいと思います。

アゼライン酸は工業的にも生産される成分ですが、小麦やライ麦などの穀物にも多く含まれており天然にも豊富に存在しています。アゼライン酸の化学構造は以下のようになっており、両端に二つのカルボン酸を有するジカルボン酸に分類されます。

このような特徴を持つアゼライン酸ですが、現在最もよく使われているスキンケア用途としてはニキビ治療薬が挙げられます。

アゼライン酸は強力な皮脂分泌抑制効果ターンオーバー促進効果を有しており、ニキビの改善に高い効果を発揮します。アメリカではアゼライン酸のニキビ治療薬がFDAの認可を受けており、レチノイドに並ぶニキビ治療薬として広く活用されています(参考文献)。

またアメリカ以外の諸外国でもニキビ治療薬としての30年以上の使用実績があります。このように海外では古くから使用されているアゼライン酸ですが、日本ではまだ医薬品として認可されておらず保険適用外となっています。

しかしアゼライン酸の幅広い効果と海外での使用実績を考慮して、独自にアゼライン酸を取り扱う皮膚科・美容クリニックも近年増えてきています。日本皮膚科学会が発行している尋常性ざ瘡ガイドラインにおいても、アゼライン酸はニキビ治療の推奨度C1(選択肢の一つとして推奨する)に該当しています。

ニキビ治療薬としてはトレチノインなどのレチノイドが有名なのは皆さんもご存知だと思いますが、レチノイドには胎児の奇形を伴う催奇形性のリスクが報告されており、妊娠中の女性への使用は控えられることが一般的です。しかしアゼライン酸には催奇形性リスクが報告されておらず、妊娠中の女性でも安全に使うことができます。

このように主にニキビの改善に効果を発揮するアゼライン酸ですが、実は更に幅広い美容効果を有することが明らかとなっています。次項ではアゼライン酸の美容効果についてより詳しく解説していきます。

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アゼライン酸に期待できる美容効果

先ほども解説したように、アゼライン酸の美容効果はニキビの改善だけに留まりません。アゼライン酸に期待できる主な美容効果は以下の4つです。

  • ニキビの予防・改善効果

  • 美白効果

  • 酒さ(赤み)の改善効果

  • 肌質改善効果

ニキビに留まらず、美白効果酒さ(赤み)・肌質の改善効果などが期待できます。アゼライン酸の美容効果はよくレチノールと比較されますが、特に酒さの改善効果や美白効果はレチノールには無いアゼライン酸独自の効果です。

特にアゼライン酸の酒さに対する効果は高く、ニキビと同様に海外では医薬品としての承認例があります(参考)。またアゼライン酸はメラニン生成の抑制効果も有しており、美白成分としても優秀です。

ここまで幅広い美容効果を有する化粧品成分は中々存在せず、毎日のスキンケアに非常にオススメできる成分であると考えられます。次項では実際にアゼライン酸の美容効果を検証した研究例について、エビデンスとなる情報を解説していきます。

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アゼライン酸の美容効果に関する研究

それでは実際にアゼライン酸の美容効果に関する研究結果をご紹介します。特にアゼライン酸の濃度や使用期間などに注目しながらご覧頂ければと思います。

ニキビへの効果

まずは最も代表的なニキビに対する効果です。アゼライン酸はニキビに対して極めて高い改善効果を有しています。

こちらの論文では、軽度から中程度のニキビを有する60名の被験者に対して、20%のアゼライン酸ジェルを使用した際のニキビの改善効果が検証されています。アゼライン酸ジェルを45日間使用することで、プラセボと比較してニキビ重症度が約3倍も改善されることが明らかとなっています。

こちらの論文でも同様に、ニキビの治療に対するアゼライン酸ピーリングの効果が検証されています。16%のアゼライン酸を用いたピーリングを2週間に1回・計6回施術することで、ニキビに対して有効性が確認されているピルビン酸ピーリングと同等のニキビ改善効果が確認されています。

また3880名の被験者を含む49件の研究を対象としたコクランレビューにおいても、アゼライン酸の高いニキビ改善効果が確認されています。統合解析の結果、アゼライン酸はニキビ治療薬として知られる過酸化ベンゾイルよりはやや効果が低いものの、レチノイドの一種であるトレチノインとはほとんど改善効果の差を認めないことが報告されています。

このようにアゼライン酸のニキビに対する効果は高く、そのエビデンスレベルも高いと考えて問題ありません。特にエビデンスレベルの高いコクランレビューにおいて、強力なレチノイドであるトレチノインと同等のニキビ改善効果が確認されている点は非常に評価できます。

今回紹介した論文においては、主に15%以上のアゼライン酸濃度でニキビの改善効果が確認されています。

美白効果

続いてはアゼライン酸の美白効果です。ニキビの改善に加えて美白効果も有しているのがアゼライン酸の嬉しいポイントですね。

こちらの論文では、20%のアゼライン酸による顔の色素沈着の改善効果が検証されています。24週間のアゼライン酸の使用によって、プラセボ製剤と比較して統計的有意な色素沈着の改善が確認されています。

さらに同論文では、アゼライン酸の使用によって肌の滑らかさが向上することも確認されています。ただしアゼライン酸の使用時においては、ほてりや刺激感などの副反応もわずかに生じたことが報告されています。

またこちらの論文では、20%のアゼライン酸による肝斑への効果が検証されています。アゼライン酸は使用時に刺激性が少なからず確認されることから、本論文ではアゼライン酸をリポソーム化した製剤が使用されています。

50名の女性被験者に対して、リポソーム化したアゼライン酸製剤の肝斑の改善効果を、代表的な肝斑の改善成分である4%のハイドロキノンと比較しています。その結果、アゼライン酸はハイドロキノンよりも高い肝斑改善効果を示すことが確認されました。また使用時の刺激感もアゼライン酸の方が低いことが確認されています。

アゼライン酸のように刺激性が比較的高く肌に浸透しにくい美容成分は、リポソーム化することによってその効果を高めながらも刺激性を低減することが出来ます。

美容成分のリポソーム化によるメリットについては以下の記事で詳しく解説していますので、こちらも合わせてご覧ください。

<合わせて読みたい>

赤み・肌質の改善効果

アゼライン酸は酒さなどの肌の赤みの低減にも高い効果を発揮します。また様々な美容成分と組み合わせることで、全般的な肌質の改善にも効果的です。

こちらの論文では、15%アゼライン酸による酒さの改善効果が検証されています。かゆみ止め成分であるdihydroavenanthramide Dを併用して8週間使用することで、紅斑スコアが有意に低下することが確認されています。また炎症性病変の有意な減少も確認されており、アゼライン酸は酒さの原因となる炎症反応を抑える効果を有していると考えられます。

またこちらの論文では、アゼライン酸とアスコルビン酸(ビタミンC)・フィチン酸などを併用することで、肌の赤みや水分量・色素沈着・シワや弾力など、幅広い肌質の改善効果が確認されています。

アゼライン酸は皮脂の分泌抑制やターンオーバーの促進効果・美白効果など様々な美容効果を有しているため、これらの相乗効果によって肌のコンディションを底上げしてくれることが期待できます。

アゼライン酸は単独で使用するだけでなく、ビタミンCなどの美容成分と組み合わせることもオススメです。ただし美容成分を組み合わせるほど刺激も出やすくなるので、使用時にはよく注意する必要があります。

***

アゼライン酸を使用する際のポイント

ここまでの解説から、アゼライン酸が非常に幅広い美容効果を有することが皆さんにもお分かり頂けたのではないかと思います。最後にアゼライン酸をスキンケアに使用する際の重要なポイントについていくつか解説したいと思います。

まずはアゼライン酸の濃度についてです。これまでに解説したように、論文として報告されているアゼライン酸の有効濃度はおよそ15%以上が多いです。この濃度以上になるとアゼライン酸は医薬品レベルの非常に高い美容効果を発揮します。

一方で論文解説時に少し触れましたが、高濃度のアゼライン酸は刺激感ほてり感などの副反応が比較的出やすくなります。医薬品レベルの効果を期待するのであれば15%以上の濃度が好ましいですが、個人的な見解としては日常的なスキンケアに使用する場合にはここまでの高濃度は必要ないと考えています。

現在市販されているアゼライン酸化粧品は、高くても10%くらいの配合濃度がマックスです。この程度の配合濃度でも十分に高い美容効果が得られますので、日々のスキンケアにおいては10%前後の濃度で十分であると考えられます。

どうしても効果が満足できないという方は、皮膚科や美容クリニックで20%のアゼライン酸クリームを処方してもらうと良いでしょう。しかし多くの方にとっては市販の化粧品レベルのアゼライン酸濃度で十分です。

続いてアゼライン酸の使用時の注意点です。

アゼライン酸は非常に強力な皮脂の分泌抑制効果を有していますので、元々皮脂の少ない乾燥肌の方にとっては実はあまりオススメできません。皮脂分泌が少ない方がアゼライン酸を使用すると、更に肌の乾燥が進んでしまい肌荒れなどの原因になる可能性があります。乾燥肌気味の方がアゼライン酸を使用する際には、肌の状態に十分注意してください。

一方で脂性肌混合肌など皮脂が比較的多めの方にとっては、アゼライン酸が絶大な美容効果を発揮することが期待できます。私自身も皮脂が多い脂性肌であり、アゼライン酸の美容効果がまさにピッタリ肌に合っています。アゼライン酸は皮脂の多い男性のスキンケアにもオススメの成分です。

アゼライン酸の皮脂抑制効果は即効性もあり、私の場合では使用翌日には皮脂の量が明らかに減っていることを実感できたほどです。皮脂が多くて悩んでいるという方にとっては、極めて効果を感じやすいスキンケア成分だと思います。

一方でこれまでに何度か出てきていますが、アゼライン酸は刺激が出やすい成分であることも間違いありません。レチノールなどもこれに当てはまりますが、美容効果が高い成分は一般に副反応も出やすい傾向にあります。

スキンケアでよくある間違いとして、少しヒリヒリしたり副反応が出た方が美容成分が効いているのでは?と考える人がいます。しかし結論としてはそのようなことは全く無く、副反応が出たら美容成分の使用は必ず中止する必要があります。

副反応が出ているのに美容成分の使用を継続すれば、肌の赤みや色素沈着が進行し一生消えない傷跡が残ることもあります。美容成分は副反応が出ない範囲で使用することが最も重要です。アゼライン酸についても肌の異常を少しでも感じたら絶対に使用を中断し、継続使用しないようにしてください。

アゼライン酸を始めて使う方は、まずは1~5%程度の低濃度のアゼライン酸もしくはアゼロイルジグリシンKなどのアゼライン酸誘導体2~3日おきに使用することをオススメします。少しずつ使用量や使用頻度を増やしていき、段階的に肌に慣らしていくことで肌トラブルの発生が少なくなるでしょう。

以上、アゼライン酸の美容効果と使用時の注意点について解説しました。色々と解説しましたが、アゼライン酸は肌に合う人には非常に高い美容効果を発揮する優秀な成分です。

本記事を読んでアゼライン酸を使ってみたいと思った方は、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。もちろん肌に合わないという場合もありますので、初めて使用する際には十分に注意して使用してくださいね。

***

編集後記

今回は近年人気が高まっているアゼライン酸の最新美容効果について解説しました。

アゼライン酸は非常に幅広い美容効果を有しており、男女限らず様々な方にオススメ出来る成分です。特に皮脂が多めの方にとっては絶大な効果を発揮しますので、気になった方はぜひ本記事を参考にして試して頂ければ嬉しいです。

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夏の暑さが少しずつ落ち着き始め、いよいよ秋の季節が近づいてきましたね。紫外線対策にしっかり取り組みつつ、保湿ケアにも注意していきましょう。

それではまた来週、お会いしましょう!

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