日焼け止めの塗り直しに関する結論を化粧品研究者が徹底解説

いよいよ夏が本格化し、毎日のように強烈な日差しが降り注いでいます。このような状況の中で美容意識の高い皆さんを悩ませているのが、日焼け止めの塗り直しです。
日焼け止めが美容のマストアイテムであることは言うまでもありませんが、日焼け止めが効果を発揮するためには塗り直しが重要であるともよく言われています。「日焼け止めは2~3時間おきに塗り直さなければ効果が無い」という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
日焼け止めの塗り直しについてはネットやSNSで様々な議論が成されており、専門家によっても意見が分かれています。しかし確かな科学的根拠に基づいて日焼け止めの塗り直し問題について結論を出した情報は、恐らくこれまでに存在しないと思います。
本記事では現役の化粧品研究者である筆者が、日焼け止めの塗り直し問題に関する結論について、論文情報などの科学的根拠に基づいて徹底解説します。
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日焼け止めの塗り直しは本当に必要なの?
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日焼け止めの最適な使用量はどれくらい?
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日焼け止めの塗り直しが必要な場面とは?
主に上記のようなポイントに基づいて、日焼け止めの塗り直しに関して私なりの結論を解説したいと思います。
日焼け止めの塗り直しは非常に難しい問題ですが、日焼け止めを正しく使いこなしていくうえで避けては通れないテーマです。本記事を読んで頂ければ明日から日焼け止めの塗り直しについて迷うことはほとんど無くなりますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
それでは早速解説を始めていきましょう。
日焼け止めはなぜ重要なのか?
日焼け止めが美容のマストアイテムであることは、これまでに本ニュースレターで何度も解説してきました。紫外線は肌の老化症状の多くを占める光老化の主要な原因であり、日常的なスキンケアで紫外線を防ぐことが出来る日焼け止めは極めて重要な美容アイテムです。
日焼け止めにはその機能や性能を決定づける様々な指標があります。ご存知の方も多いと思いますが、以下には日焼け止めを選ぶ際に重要となる代表的な要素を並べてみました。
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SPF(UVBの防御指標)
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PA(UVAの防御指標)
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ウォータープルーフ(耐水性)
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フリクションプルーフ(耐摩擦性)
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紫外線吸収剤(例:メトキシケイヒ酸エチルヘキシル)
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紫外線散乱剤(例:酸化チタン・酸化亜鉛)
日焼け止めの性能を表す最も有名な指標はSPF・PAなどの紫外線の防御指数です。SPFはUVB、PAはUVAに対する防御指標であり、この数値が高いほどより高い紫外線防御効果を示します。
しかし日焼け止めを選ぶ際に重視しなければならないのは、SPFやPAだけではありません。例えばウォータープルーフやフリクションプルーフといった汗・摩擦に対する強さの指標や、紫外線吸収剤・紫外線散乱剤といった配合成分の観点も重要です。
日焼け止め選びが難しいのは、これらの要素が全て高ければ良いというわけではない点にあります。日焼け止めを使用する場面や肌との相性を考えて、適切な日焼け止め製品を選ぶことが重要です。そして自分に合った日焼け止めを毎日使用することで、長期的に美しい肌を導くことが出来るでしょう。
日焼け止めの塗り直しは必要か?
さてここからは、本記事のテーマである日焼け止めの塗り直しについて解説していきたいと思います。そもそも大前提となりますが、日焼け止めの塗り直しは本当に必要なのでしょうか?