肌に合う日焼け止めの選び方の結論について、化粧品研究職と美容オタクが徹底議論!

肌に合う日焼け止めの選び方の結論を、化粧品メーカー研究職のなつなつと、「mimiのインテリジェンススキンケア〜」を運営する mimi が SPF/PA・テクスチャ・美容成分などのトピックで対談します。
なつなつ(化粧品・皮膚科学の研究者) 2021.05.27
誰でも

いつもBeauty Science Newsをご覧頂きありがとうございます。この記事は、化粧品メーカー研究職のなつなつと、「考えて選ぶ、選んで綺麗になる〜mimiのインテリジェンススキンケア〜」ブログを運営する mimi が「肌に合う日焼け止めの選び方の結論」をテーマに対談した特別コンテンツです。

日焼け止めは商品数が多いうえに、SPF・PA 値はもちろん、テクスチャーや美容成分などの選択肢が非常に幅広く、SNSなどでは間違った知識も多く見受けられます。そういった中で自分の肌に合う効果の高い日焼け止めを見つけることは非常に難しいです。

そろそろ暑さも増してきていますので、今回は日焼け止めを新調される方に向けて化粧品研究職と美容オタクが日焼け止め選びの結論を出すべく徹底議論します。

今回の対談テーマ

  • 日焼け止め選びで根底に置くべき考え方

  • テクスチャーと利用シーン

  • 自分に必要な SPF・PA 値は?

  • 散乱剤と吸収剤の組み合わせから選ぶ方法

  • 新しい日焼け止めの塗り方と落とし方

  • 美容成分は入ってる方がいい?悪い?

  • さいごに

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日焼け止め選びで根底に置くべき考え方

なつなつ:本日はよろしくお願いいたします!SNS を始めてから、メーカー側が想定していないようなスキンケアのやり方がたくさんあることを知って、mimi さんみたいに独自に工夫してスキンケア方法を編み出されている方と対談させてもらうことで消費者目線の有意義なコンテンツになるのでは?と思い、今回 mimi さんと対談させて頂く運びとなりました!

mimi:よろしくお願いいたします!私も Beauty Science News を有料購読していて日々皮膚科学や化粧品情報のインプットをしていますが、今回は実践者側の意見というか(笑)、そういう観点を大切にしてお話できればと思っています!

なつなつ:はい!ぜひ(笑)今回はそろそろ暑くなってきた季節でもあるので日焼け止めをテーマに選んでみました。今の日焼け止めはいろんな剤型があって、防御効果が高い製品もたくさん出ていて自分の好みに合わせて選べる一方で、選択肢が多すぎて何が正解かわからない方が多くいらっしゃるのかなとも思っています。mimi さんはどういう基準で日焼け止めを選んでますか?

mimi:選ぶときに気にしていることは 2 つあります!私は一般消費者なので、あくまで自分が使って心地良いというのがまず 1 つ大切なことかなと思ってます。ここはテクスチャーや散乱剤・吸収剤など成分の種類、塗り方が大きく関わると思います。ベタベタするとか、白っぽくなっちゃってその後の化粧がのらないとかもあるので。2 つ目は、その上で SPF や PA 値を気にしてます。自分の生活シーンに合わせて 3 つくらいの日焼け止めを使い分けるようにしているので、SPF・PA 値はその使い分けで大切な指標になってます。

なつなつ:なるほど、さすがですね!個人的にはやっぱり日焼け止めの選ぶときに一番重要なのって「肌に合うかどうか」だと思っていて、そこを意識して選んでいただくのが大事なのかなって思っています。肌に直接塗ることの多い日焼け止めだからこそ、刺激の少ない製品を選んで欲しいと思いますね。あと大事なのは mimi さんもSNSで書かれていた物理防御ですね。日焼け止めだけで紫外線を防御するんじゃなくて、日傘・帽子などで物理的にも紫外線を防ぎ、トータルで紫外線対策を考えていくことが重要だと思ってます。

mimi:そうですよね!私は屋内にいても日焼け止めを塗りますし、窓ガラスに日よけシートを貼ってます。

なつなつ:それもすごくオススメです。 紫外線は窓ガラス透過して入ってくるんですよね。日よけシートもすごく紫外線対策として優秀です。

mimi:まとめると、自分の肌に合うか?と物理防御などのトータルで紫外線対策を考えることを根底にしつつ、利用シーン、テクスチャー、SPF・PA 値、散乱剤・吸収剤の種類、塗り方などがチェックポイントとしてありそうですね。あと個人的に美容成分入りの日焼け止めも気になってます。

なつなつ:ではそのあたりについて、これから一つ一つお話していきましょう。

このテーマの結論

  • 日焼け止めは「自分の肌に合うかどうか?」が最重要

  • 日焼け止めだけでなく紫外線対策アイテムと組み合わせてトータルで日焼け対策を考える

  • 利用シーン、テクスチャー、SPF・PA 値、散乱剤・吸収剤ベース、塗り方などを考慮する

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テクスチャーと利用シーン

mimi:テクスチャーについて、なつなつさん的にはどういうポイントがあると思いますか?

なつなつ:テクスチャーは、スプレーやスティック、ジェル、クリーム、ファンデーションや下地に配合されているものなどたくさんありますよね。実はどのテクスチャーがいいかというのは科学的なエビデンスはあまりないんです。なので基本的には好きなものを選んで頂いて問題ないかなと思います。

mimi:そうなのですね!本当いろいろありますよね。最近クッションタイプの日焼け止めを試しています。私の周りの方々は、粉タイプは穴が出やすいとか、スプレータイプの日焼け止めはどうなんだ?とか、ウォータープルーフ機能をどこまで重視すべき?って意見がすごく多いです。

なつなつ:実はテクスチャーより先に抑えておくべき点がありまして、それが塗り直しなんです。日焼け止めが落ちやすい要因というのは、主に「汗・皮脂」と「擦れ」と言われています。汗や皮脂は避けられませんし、人は無意識のうちに何度も顔を触っていると言われていますので、やはりしっかり塗り直しをした方がいいと基本的には言われています。それはウォータープルーフ機能の有無に限らずです。ここからは個人見解になりますが、塗り直しが前提であればウォータープルーフ機能は必須ではないと思ってます。すごく汗をかく活動や海水浴などをする時はウォータープルーフ機能付きで、かつ何時間かおきに塗り直すというのが重要だと思いますね。

mimi:塗り直しの問題は私のフォロワーさんも困っているところで、皮膚科の先生とかって 2~3 時間おきに塗り直しましょうとかおっしゃる方が多いんですけど、メイクしてたら塗りなせないじゃんとか、色々と問題があると思うんですよね。塗りなおしの頻度ってどんな風に考えてますか?

なつなつ:そうですね、確かに学会とか論文、我々化粧品メーカーは 2~3 時間ごとの日焼け止め塗り直しを推奨しています。ただメイクの上から日焼け止めをそんな頻度で塗り直すなんてなかなか現実的ではないと思っているんですよね。そこは日焼け止め効果のあるファンデーションやパウダーでカバーするなど、状況に応じて使い分けるのが良いかなと個人的には思っています。屋内で仕事される方であれば、外出前など紫外線にこれから当たるって時に、日焼け止め成分を含んだ製品でお化粧直しされるのが良いんじゃないかなと思っています。

mimi:マスクを着けているときはファンデとか見えないのでそこまで塗らないでおいて、マスクを外して活動するみたいな、これから紫外線にさらされるって時に塗り直した方が良さそうですね。

なつなつ:ちなみに mimi さんは、メイクしたお顔と首とかなど露出してる部分で日焼け止めを分けたりされていますか?

mimi:結構変えてますね。顔は基本的に日焼け止めを塗り直したいからファンデーションを塗らないってタイプなんですよ。首は服がついたりするとベタベタしたりするのが嫌なので、ちょっとサラっとするテクスチャーのものを使うようにしたり、首だけは明るいトーンアップ効果のある散乱剤ベースの日焼け止めを塗ったりします。

このテーマの結論

  • テクスチャーによる日焼け止め効果の違いはエビデンスが少ないため、好みで選んでよい

  • 焼け止めは「汗・皮脂」や「擦れ」で落ちやすいため、どんなテクスチャーや機能があっても塗り直しが重要

  • 利用シーンや部位によってテクスチャーや機能を使い分けるのがオススメ

***

自分に必要な SPF・PA 値は?

mimi:SPF・PA 値が高いものって、それなりに肌負担があるのかなって気もするのですが、各社毎年 SPF・PA 値が高い商品を出してませんか?このあたりどうなのでしょう?

なつなつ:鋭いご指摘ですね。今すごい SPF・PA 値の競争みたいになってますが、数値が高ければ良いというわけではないと思います。ただ数値が高い方が防御効果として消費者の受ける印象が良いため、各社追求しているという状況なのかなと思います。mimi さんはどれくらいのものを日常使いの日焼け止めで使っていますか?

mimi:私は SPFが20~30 くらい、PA が++~+++くらいですね。PA 値が高い製品って 基本的にSPF も高いので、まずは PA を確認しています。

なつなつ:それはおっしゃる通りですね。PA だけ高くするというのは技術的に難しいんですよね。こちらの記事で利用シーン別の SPF・PA の参考値を出してますのでぜひ参考にしてください。

mimi:UV 吸収剤とかの量が増えてくると刺激になるので、高すぎない製品を選ぶようにしています。やはり SPF・PA が高いと、肌に合わない方も多くなってきますか?

なつなつ:一概には言えませんが、やはり数値が高いと肌負担のリスクは上がる可能性が高いと思います。吸収剤などの量が多くなるとどうしても刺激のリスクは高まりますからね。あと散乱剤は配合量が増えてくるとテクスチャーも悪くなってきます。とはいえ、SPF・PA 値が高ければいいわけじゃないことを強調する理由は、SPF・PA 値が高くても塗り直さなければ意味がないというところにあります。防御効果が落ちているかどうかは自分ではほとんど分かりませんが、研究的には 2~3 時間くらいで擦れや汗で日焼け止めが落ちてきやすいと言われています。数値ではなく、塗り直し前提で製品を選んで欲しいと思います。だからこそ、肌との相性はやはり重要ですね。

このテーマの結論

  • SPF・PA 値が高すぎると肌に合わない可能性が高くなる

  • SPF・PA 値が高くても塗り直さなければ意味がない

  • 日常使いでは SPF 20~30、PA ++~+++ で十分

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散乱剤と吸収剤の組み合わせから選ぶ方法

  • 紫外線散乱剤 = 紫外線を反射・散乱させて皮膚を防御する役割

  • 紫外線吸収剤 = 紫外線を吸収し熱や赤外線などのエネルギーに変化させて放出する役割

mimi:以前は敏感肌用の日焼け止めは散乱剤ベースのものが多く、粘土みたいなテクスチャーのあんまり使い心地がよくないものが多かったです。最近は吸収剤のみの配合だけのものとかも出てきていて、敏感肌だとしても選択肢はどんどん増えてますが、散乱剤・吸収剤の配合で選ぶ際も肌に合うか合わないかって重要だと思いますか?

なつなつ:重要だと思いますね。散乱剤の方がお肌に優しいってよく言われてますが、概にそうとは限らないと思います。科学的に吸収剤の刺激が強い理由を言えば、吸収剤は光で分解しやすく、その分解物が刺激になりやすいなどが考えられます。ただ、実際そうはなっていない人も多いですよね。例えば散乱剤の粒子が毛穴に詰まりやすい肌質で、むしろ散乱剤の方が合わない方もいらっしゃいますし、あとは散乱剤に付随して入ってくるような成分が合わないという方もいます。ここは正解がないので、地道に試していただくのがいいかなと思います。

mimi:やっぱりそうなってくると、日焼け止めに入っている吸収剤、散乱剤を見分けられないと試す効率が悪くなりますよね。私は以前 Beauty Science News のレターで取り上げられていた表をスクリーンショットしていて、日焼け止め選びのときに見るようにしてます。

なつなつ:ありがとうございます!散乱剤や吸収剤で使われる成分は実はそんなに多くなくて、よく使われる成分は合わせて 10 種類くらいです。散乱剤は酸化チタンと酸化亜鉛くらいしか基本的には使われていなくて、吸収剤も 5 種類くらいがメインです。これらを覚えておくと、自分はどの成分が合うのか、多くの日焼け止めで分かるようになると思います。mimi さんはこのあたり、どう判断していますか?

mimi:製品に書いてある成分表を見て、基本的には上の方に入っているものが配合量が多い成分なので、吸収剤が上に入ってたら吸収剤ベース、散乱剤が上だったら散乱剤ベースと判断しています。例えば吸収剤が上に入ってても、ちょっと下に散乱剤の成分が入っていれば、吸収剤ベースで散乱剤も入っている日焼け止めなんだと思っています。

なつなつ:基本的にはその考え方でOKですね。やっぱり最近の日焼け止めの主流は散乱剤と吸収剤の組み合わせなんですよね。散乱剤の良さは主に安定性にあり、吸収剤の良さは主にテクスチャー向上にありますので、お互いのいいところを上手く取り入れた処方が多くなっていますね。

mimi:諸説あるところですが、散乱剤ベースの日焼け止めは汗とかで落ちない限り塗り直しは不要説があったりするのですが、本当ですか?

なつなつ:散乱剤の粒子は分解されやすい吸収剤と比べればたしかに落ちにくいです。なので、塗り直ししにくい局面では散乱剤ベースの日焼け止めを使うと若干いいかも?くらいなら言えるかもしれませんが、絶対塗り直しいらないとまでは言えない気がしますね。

このテーマの結論

  • 散乱剤・吸収剤と肌の相性には正解がなく、個人での試行錯誤が必要

  • 散乱剤・吸収剤の成分は種類が少なく、ある程度覚えれば自分の肌との相性の良い日焼け止めを見つけやすくなる

  • 成分表を見れば、散乱剤・吸収剤の配合バランスが推測できる

***

新しい日焼け止めの塗り方と落とし方

mimi:フォロワーさんからよくご質問いただくこととして、日焼け止めを塗るとモロモロするって話があります。これを防ぐためにはどうしたらいいのでしょう?

なつなつ:難しいですよね。モロモロの要因として考えられるのは様々あって、他の化粧品と混ざり乳化系が壊れるとか、溶剤成分が蒸発し日焼け止め内の成分が析出してきて白くなってるとか、角層の残骸とかに成分が吸着するとか。なので対策法は一概には言えないんですよね。一つ言えるとすれば、塗り方ですかね。日焼け止め成分を溶かし込んでいる溶剤は塗ると揮発していくんですが、それを一気に揮発させると中の成分が局所的に高濃度になって析出しやすくなるのかなと考えています。日焼け止めを素早く塗ってしまうと、薄く広がってしまい溶剤が揮発しやすくなります。なので、多めの量をゆっくり置くように塗っていただくといいんじゃないかと個人的には思います。この塗り方に科学的根拠はないですが、実際メーカーでも効果的な塗り方に関する研究も増えてきました。

mimi:これは自分の体験からもすごくわかります!私すごくゆっくり塗るようになったんですよね。なるべくこすらないようになじませてます。他にオススメの塗り方はありますか?

なつなつ:そうですね~、塗りムラになりやすい凹凸が出る部位(目・鼻・口の周り)は塗り残しがないように気をつける、くらいですかね。

mimi:日焼け止めの上からメイクを重ねるんだったらちょっと時間置いた方がいいのでしょうか?他の化粧品と混合すると日焼け止めの効果が薄まりませんか?

なつなつ:メイクしやすい状態なのであれば、そんなに気にしなくてもいいかなと思います。メイクと混合したからといって、日焼け止め成分がなくなるわけではありませんからね。

mimi:あとこれは間違い情報だと思うのですが、日焼け止めを塗ってから 30 分おかないと効果が出ない、なんて情報も TV でありましたよね。

なつなつ:それは確実に間違いで、基本的に日焼け止は肌に浸透しないと効果が出ないようなものじゃないんです。塗ってある程度乾いたらすぐ効果が発揮されると思って頂いて大丈夫です。

mimi:あと、日焼け止めはできるだけ落ちずに効果を持続して欲しいけど、落とす時にクレンジング強いの使わないと落ちないのは肌負担が強くて嫌って皆さん考えていらっしゃると思うのですが、どう思いますか?

なつなつ:そうですよね。ここはそれこそ、mimi さんのベビーオイル洗顔がすごく相性がいいんじゃないかなと思ってます。日焼け止めは油性の成分が多いためオイルで落としやすく、ベビーオイル洗顔は非常に良い洗顔方法だと思います。化粧品メーカーでさえ全く把握してなかったような驚きの方法だと思ってます。化粧品研究者たちはみんな驚いているんじゃないでしょうか。非常にオススメできる手法ですので、まだ知らない方は mimi さんのベビーオイル洗顔をチェックして欲しいですね。

このテーマの結論

  • 日焼け止めは多めの量をゆっくり置くように塗ると揮発を抑えられ、モロモロしにくいと考えられる

  • 日焼け止めは塗ってからすぐ効果があり、化粧品と混合しても効果は消えない

  • 日焼け止めは油性成分が多く、ベビーオイル洗顔などのオイル洗顔と相性が良い

***

美容成分は入ってる方がいい?悪い?

mimi:ナイアシンアミド配合だとか、日焼け止めに様々な美容成分を入れて付加価値を出されているメーカーさんが増えてきたように思います。私は例えば抗炎症系の成分は意味あるのかなって思うんですけども、その辺なつなつさんはどう考えているのかお聞きしたいです。

なつなつ:非常に鋭いご質問だと思います。ここはいろんな意見ありますが、個人的には日焼け止めに美容成分入れるというのは全然ありだと思ってます。日焼け止めって基本的に直接肌に塗るものじゃないですか?なので、せっかく肌に塗るものだから日焼け止めにとどまらないような効果を付与するというのは、スキンケアとしては理にかなってると思います。化粧品メーカーは美容成分だけを選択的に浸透させるような技術も持っているので、美容成分が入っていても日焼け止め効果は低くなりませんし、日焼け止め成分が浸透することも無いのでその辺は安心して使ってもらえればと思います。

mimi:なつなつさん的に日焼け止めに入っていると嬉しい成分はありますか?

なつなつ:やっぱり抗炎症・抗酸化系の成分は入ってて欲しいかなって思います。

mimi:やっぱり日焼けするって炎症起こしてるってことだから、その日焼け止めに抗炎症が入っているとその場でちょっと抑えてくれる効果が期待できるという感じですね?

なつなつ:おっしゃる通りです。フラーレンとかも優秀な抗酸化成分だと思いますし、抗酸化エキスを配合した日焼け止めもすごく今出てると思うので、そういうのでもいいんじゃないかなと思います。

mimi:やっぱり酸化・炎症をいかに抑えていくか?というのが美肌の鍵ですよね!ちなみに、日焼け止めの話をしていますが、日光によるビタミンD合成の話ってあるじゃないですか?一方で紫外線は肌の老化予防にもなるので、このあたりのバランスはどうお考えですか?

なつなつ:紫外線は日焼け止めをしっかり塗って防ぎ、ビタミンDは食事やサプリメントから摂取することを個人的にはオススメしています。ここは現在でも様々な議論があり正解はないですが、ビタミンDは顔以外の日光浴でも補えるので、少なくとも顔は日焼け止めをしっかり塗っておくことがオススメですね。一点、子供の日焼け止め対策は注意が必要かなと思います。小児期はビタミンDが骨生成にも関わる時期で、紫外線対策を意識しすぎるのも危険と言われています。このあたりは小児系の皮膚科の学会でもまだ議論が分かれる領域ですね。

mimi:逆にこんな日焼け止めには注意した方が良いっていう製品はありますか?

なつなつ:エキスを 10 種類とか多く配合しているような製品はちょっと信頼できないかなっていう気はしています。恐らく成分が微量しか入っておらず、効果を狙って入れてるのではなくてコンセプト目的で配合されていると予想されますね。

mimi:入ってる成分があまりにも植物エキスが多くなると、敏感肌の人は何かに反応する可能性もきっとあるし、最初どういうの選んでいいか分からない方は比較的シンプルな日焼け止めを選ぶ方が早く自分に合う日焼け止めと巡り会えそうですよね。

なつなつ:それは自分も賛成です。ある程度処方の骨格がシンプルで、そんなに成分数が多くないものはオススメできるかなと思います。

このテーマの結論

  • 日焼け止めは肌に直接塗るものなので、そこに美容成分が入っているのは理にかなっている

  • 抗酸化・抗炎症作用のある成分、エキスが数種入っているものはオススメできる

  • 一方で成分数が多すぎない日焼け止めを選ぶことで自分に合う日焼け止めを探しやすい

***

さいごに

mimi:今回なつなつさんの話聞いてて思ったのは、確かな知識を入れた上で実践の中で自分の肌に合うものを選ぶべきかなって。楽しみながら色々試して欲しいなと私は思いました。日焼け止めの選び方もそうだと思いますし、正しい知識を入れた上で、なおかつ自分の生活が楽しくなるようにそれを活かして欲しいなってすごく思いました。

なつなつ:ほんとにおっしゃる通りで、Beauty Science News はエビデンスに基づいた情報発信を謳っていますが、美容において万人に当てはまる正解はないですよね。それぞれの人に正解があるので、こういった情報を参考にしながら自分で見つけていただくというのが、日焼け止めに限らず全てのスキンケアや美容において重要な考え方だと思いますね。

***

Beauty Science News について

大手化粧品メーカーの現役研究職として皮膚科学や化粧品の研究に従事する「なつなつ」が、美容と健康に関する最新の科学情報を分かりやすく発信。

mimi について

理に適ったケア&美容医療で【自分史上最高の肌】を目指す『インテリジェンススキンケア』を提唱。「ベビーオイル洗顔」他、毛穴バランスリセット法、3STEP保湿法など独自発案の美容法を発信。「考えて選ぶ、選んで綺麗になる〜mimiのインテリジェンススキンケア〜」ブログ運営。

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