シワ改善効果のある食品とは?科学的根拠に基づいて徹底解説!

シワは化粧品だけでなく食事からの改善アプローチも極めて重要です。今回は科学的根拠に基づいて、シワを改善する食品について解説します。
なつなつ(化粧品・皮膚科学の研究者) 2022.01.04
誰でも

年齢とともに深く刻まれるシワ。シワの数だけ思い出が増えるという素敵な言葉もありますが、できることならいつまでもシワのない若々しい肌でいたいと思いますよね。

シワを引き起こす原因には活性酸素乾燥、さらには糖化など様々なものがあります。これらのダメージが徐々に蓄積することで、シワが形成されてしまいます。シワの改善を達成するためには、これらの原因に対してそれぞれ効果的にアプローチする必要があります。

今回はこのようなシワの改善に対して、食生活の観点からアプローチする方法を現役の化粧品研究者が徹底解説します。記事の主なポイントは以下の3点です。

  • なぜシワは形成されるのか?

  • 科学的根拠のあるシワに有効な食事とは?

  • シワを防ぐために重要な食習慣とは?

シワの対策として、何も考えずに巷に溢れているシワ改善化粧水や美容液に手を出してしまう方は多いと思います。しかし実はシワ対策のためには肌に塗る化粧品だけでなく、毎日の食事も非常に重要です。

シワに対して食事からのアプローチが出来るようになれば、化粧品と合わせて相乗効果が期待できます。ぜひ本記事の内容を参考にして、毎日の食生活からアンチエイジングに取り組んでみて下さい。

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それでは早速内容の解説に入っていきましょう。

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なぜシワはできるのか?

そもそもシワはなぜ出来てしまうのでしょうか?これまでにもこのニュースレターで解説してきた内容ではありますが、今回は改めて基本的なシワの形成メカニズムを簡単に解説していきたいと思います。

一般にシワは大きく分けて以下の3つの原因によって形成されます。

  • 活性酸素

  • 肌の乾燥

  • 肌の糖化

これらは紫外線や湿度など外部の環境によっても影響を受けますが、同様に食生活にも影響を受けることが知られています。これらがなぜシワの形成につながるのかについて、以降で具体的に解説したいと思います。

活性酸素の増加

シワの原因として最も影響が大きく、最優先で対策すべきなのが活性酸素です。

私は以前から「紫外線は肌の老化の大敵である」と何度も情報発信してきましたが、その一番の理由は紫外線によって様々な老化の原因物質である活性酸素が発生するためです。

活性酸素は人間が呼吸を続ける限り必ず発生するものですが、その量が増えると様々な疾患や老化の原因になることが知られています。この活性酸素を増大させる最も大きな外的要因が紫外線なのです。

活性酸素に関する詳しい説明はここでは割愛しますが、活性酸素は非常に反応性が高い物質であり、組織や臓器などを手あたり次第に傷つけてしまいます。そして肌においても同様に、様々な皮膚組織を攻撃して肌に致命的なダメージを発生させてしまいます。このようなダメージが蓄積されると、最終的に肌の老化に繋がるのです。

特に活性酸素は肌のハリを維持するために重要なコラーゲンに大きな影響を与えています。例えば活性酸素によってMMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)と呼ばれる酵素が増加することで、肌に存在するコラーゲンが分解されることが明らかとなっています(参考文献)。活性酸素が存在する限り、肌の土台を造るコラーゲンの合成は強く抑制されてしまうのです。

ではどのような生活習慣が活性酸素を増加させるのでしょうか?活性酸素を増加させる代表的な食習慣としては、過度な飲酒脂質の摂り過ぎなどが知られています。

特に脂質は体内に存在する酸素から活性酸素を発生させやすいことが知られており、高脂肪食の摂取によって体内の酸化ストレスマーカー(活性酸素レベルを反映)が増加することが多数の研究で確認されています(参考文献)。また喫煙による活性酸素やシワの増加についても多数の論文で報告されています(参考文献)。

現在では喫煙や過度な飲酒をする人もそれほど多くないとは思いますが、やはりこれらは好ましい生活習慣とは言えません。また活性酸素の発生源となり得る脂質の摂り過ぎにも注意することが重要です。

肌の乾燥

肌の乾燥もシワを発生させる原因になることが知られています。こちらの内容については、以前に乾燥小じわの記事でも詳しく解説しました。

乾燥による小じわは、先ほど解説した活性酸素によるシワとは発生メカニズムが大きく異なります。乾燥小じわは冬場に多く観察され、キメの乱れた細かいシワが特徴です。乾燥による角質細胞の収縮が乾燥小じわの主な原因となっています。

乾燥小じわはどちらかと言うと低湿度などの外的要因が大きな原因となりますが、食事による影響も少なからず受けている可能性があります。例えば水分の摂取量と角層水分量は相関することが知られており、そもそも水分の摂取量が少ない人は肌も乾燥しやすいと考えられます(参考文献)。

また後ほど解説しますが、角層水分量を向上させる食品や栄養素は多数確認されていますので、これらの栄養素の摂取が少ない場合には肌の乾燥が引き起こされやすい場合があるかもしれません。

乾燥小じわの最大の特徴は改善が比較的容易なシワであるという点にあります。まずは保湿クリームや皮膚バリア機能の改善作用のあるセラミドなどの成分を使用することで乾燥小じわを改善すると共に、この後に紹介する食品で肌の潤いを高めていくことがオススメです。

肌の糖化

肌の糖化は特に深いシワの原因となっており、美容の大敵とも言われています。糖化についても以前こちらの記事で詳しく解説しましたので、詳細を知りたい方はこちらをご覧ください。

糖化とは体内に存在する糖分が組織のタンパク質などに結合して次々と酸化する反応のことを指します。実は糖も活性酸素と同様に高い反応性を持っており、その結果として糖がタンパク質に次々と反応する糖化反応が引き起こされます。

体内の糖分存在量が多くなると様々な臓器や組織の糖化が促進することが知られています。体内の糖化レベルが増加すると、臓器の機能が徐々に低下することで様々な疾患が引き起こされることも有名です(参考文献)。そしてこれは皮膚についても同様であり、皮膚の糖化が進行すると様々な老化症状が発生します。

正常な組織に糖分が次々と結合していくので、糖化が進行すると組織の機能不全が起こることは容易に想像できますよね。特に皮膚の真皮に存在するコラーゲンやエラスチンが糖化すると、肌のハリを支える重要な線維の構造が変化することで、皮膚の弾力低下深いシワに繋がります(参考文献)。

このような観点から、活性酸素と合わせて糖化の対策もしっかりと行う必要があります。

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シワを改善するオススメ食品成分

このように大きく分けて3つのメカニズムで発生するシワですが、これらを改善する食品にはどのようなものがあるでしょうか?今回はシワの改善に効果が期待できる食品成分について、実際に報告されている研究結果に基づいてご紹介したいと思います。

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活性酸素に対抗する食品

まずは諸悪の根源とも言える活性酸素に対処するための食品成分です。活性酸素の発生を抑制したり取り除く効果のある物質を、一般に抗酸化物質と呼びます。抗酸化物質は私のニュースレター内でも何度も解説していますね(参考)。

代表的な抗酸化物質としてはビタミンCやポリフェノールなどが知られていますが、今回はその中から摂取によってシワの改善効果が確認されている2つの成分をご紹介します。

アスタキサンチン

1つ目はアスタキサンチンです。アスタキサンチンは鮭やイクラなどに含まれている赤い色の成分で、非常に高い抗酸化作用を持っています。

2021年に報告されたシステマティックレビュー論文には、アスタキサンチンの経口摂取によってアンチエイジング効果が認められるという研究結果が多数まとめられています。

その中の一つであるこちらの論文は2012年に日本の研究グループから報告されたものであり、20歳から60歳の日本人36名を対象にランダム化比較試験にてアスタキサンチンのアンチエイジング効果を検証しています。

被験者を2つのグループに分け、片方には6mgのアスタキサンチンを、もう片方にはアスタキサンチンを含まないプラセボを6週間摂取してもらいました。その結果アスタキサンチンを摂取することでシワ面積の有意な低下肌の弾力・バリア機能(経皮水分蒸散量)の有意な改善が確認されています。

この研究の他にもアスタキサンチンは日本人で数多くのアンチエイジング効果が確認されており、シワやたるみが気になり始めた方にはオススメの食品と言えます。

アスタキサンチンは鮭をはじめエビやカニ、ニジマスやイクラなどに多く含まれています。またサプリメントも多数販売されていますので、用法容量を守って適切に摂取することがオススメです。

βカロテン

2つ目にオススメする抗酸化物質はβカロテンです。βカロテンは緑黄色野菜に含まれるオレンジ色の成分で、体内でビタミンAに変換されて機能を発揮します。いわゆるビタミンAの前駆体となる栄養素です。

2010年に報告されたこちらの論文では、βカロテンのシワに対する有効性が確認されています。50歳以上の健康な女性30人に一日30 mgのβカロテンを90日間摂取してもらったところ、シワの数が有意に減少し肌の弾力が改善するという研究結果が得られています。

また採取した皮膚サンプルの分析結果から、βカロテンの摂取によってⅠ型コラーゲンというヒトの体に最も豊富に含まれるコラーゲンが4.4倍に増加することが確認されています。

ところが興味深いことに、その3倍量である90 mgのβカロテンを摂取した被験者群では、紫外線ダメージの観点からむしろ皮膚に悪影響があるという結果が得られています。この結果は1日30mgという適切な量のβカロテンが美容に効果的である可能性を示唆しています。

βカロテンが前駆体となるビタミンAは脂溶性のビタミンであり、過剰摂取による健康への悪影響が報告されています(参考)。βカロテン自体の過剰摂取の影響は少ないとされていますが、やはり身体に良い栄養素と言っても摂り過ぎは禁物です

特に脂溶性ビタミンは体内に蓄積しやすく過剰摂取を引き起こしやすいので、サプリメントなどの栄養補助食品で摂取する際には必ず用法容量を守るようにしましょう。またβカロテンはにんじんやかぼちゃ、ケールやほうれん草に多く含まれています。基本的にはこれらの野菜を中心として適切な量のβカロテンを摂取することがオススメです。

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乾燥を改善する食品

次に乾燥により生じるシワ対策にオススメの食品についてご紹介します。こちらについては何度もこのニュースレター内でも解説していますが、私のオススメである2つの成分について改めて解説したいと思います。

コラーゲンペプチド

コラーゲンペプチドは私が美容に最もオススメする食品成分です。コラーゲンは肌にもともと存在する分子量の大きいタンパク質ですが、これを低分子量化してペプチドというものに分解したものがコラーゲンペプチドです。

コラーゲンペプチドの美容効果を示した研究論文はたくさん報告されていますが、例えばこちらの論文では1gのコラーゲンペプチドを12週間摂取するランダム化比較試験において、角層水分量の増加とそれに伴うシワスコアの改善が確認されています。

コラーゲンペプチドは血流に乗って皮膚に送達されることで、皮膚の弾力や水分量の改善に効果的であることが数多くの研究で報告されています。

分解されたコラーゲンがなぜ皮膚に良いのかイメージできない方もいるかもしれませんが、コラーゲンの分解物が皮膚のコラーゲン合成を高めるトリガーとなっていると思って頂ければ分かりやすいです。

コラーゲンの分解物が豊富に皮膚に存在すると、これを認識したコラーゲン合成酵素が「コラーゲンが分解されてしまっている、たくさんコラーゲンを合成しなければ!」と勘違いし、コラーゲンの合成が促進されていきます。

このようなメカニズムで、たとえ分解されたコラーゲンペプチドであっても食事からの摂取によって高いアンチエイジング効果が期待できるのです。

ヒアルロン酸

ヒアルロン酸も肌の水分量を高めて乾燥小じわを予防するために大変オススメの成分です。ヒアルロン酸はグルコサミンとグルクロン酸と呼ばれる糖が何千個も結合した多糖類と呼ばれる成分であり、こちらもコラーゲンと同様に元々肌に存在する高分子量の成分です。

ヒアルロン酸の摂取においても、基本的には皮膚に送達される時には既に分解されたヒアルロン酸になっていると考えられていますが、先ほど解説した理論により、たとえ分解されていても高い美容効果を発揮することが知られています。

例えばこちらの論文では、1日あたり120mgのヒアルロン酸を12週間摂取することで、シワの面積が減少することが確認されています。これはヒアルロン酸の摂取により角層水分量が増加したことで、乾燥による小じわが改善されたためであると考えられます。

ヒアルロン酸もコラーゲンペプチドと同様に、分解物が皮膚本来のヒアルロン酸の合成を高めることでシワの改善に寄与していると考えられています。

このように肌の水分量を向上させ乾燥による小じわを改善する方法として、コラーゲンペプチドとヒアルロン酸の摂取がオススメです。関連記事として、以下の記事も合わせて読んでみて下さい。

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糖化を抑制する食品

最後に糖化の抑制に効果的な食品成分をご紹介します。糖化の対策としては、糖質・炭水化物の食べすぎに気を付けることが最も効果的です。やはり真っ先にやるべきことは食事の見直しと言えるでしょう。

しかしたまには自分へのご褒美にスイーツや炭水化物を満足するまで食べたい時もありますよね。そこで今回はあくまで補助的な効果にはなりますが、糖化の予防・改善が期待できるいくつかの食品成分をご紹介したいと思います。

ポリフェノール

ポリフェノールは糖化の予防・改善に効果的であることが一般に知られています。そしてポリフェノールは抗酸化物質でもあり、活性酸素の消去やコラーゲン分解酵素であるMMPの阻害活性も報告されているため、非常に効果的なシワ改善成分であると言えるでしょう。

こちらの論文には、ポリフェノールによる糖化抑制のメカニズムが詳しく解説されています。ポリフェノールと一口に言っても様々な種類が存在しますが、この論文では抗糖化に特に効果があるポリフェノールとしてミリセチン、ケルセチン、ルチン、ケンフェロールが挙げられています。これは特定の構造を持つポリフェノールが、高い抗糖化作用のカギとなっているためと推定されています。

ミリセチンはブドウ、ベリー等の果物やお茶に多く含まれています。またケルセチンはタマネギに、ルチンはそばに、ケンフェロールについてはブロッコリーに多く含まれることが知られています。このように食材によって様々な種類のポリフェノールが含まれておりますので、様々な食品からバラエティー豊かなポリフェノールを摂取するのがおすすめです。

ハーブ類

ハーブは古くから糖化の予防・改善に効果を有することが知られている食品です。これは基本的には先ほど解説したポリフェノールを多く含むためであると考えられています。

例えばこちらの論文では、カモミールやドクダミなどを含むハーブエキスを12週間摂取した結果、皮膚のAGEsレベルメラニン量シミ肌の黄色み有意に低下することが確認されています

ハーブティーやスパイスとして日々の食生活にハーブを取り入れることで、抗糖化作用によって美容に幅広い効果が期待できると考えられます。ハーブ類は私も美容にオススメしている食品の一つです。

その他にも糖化にオススメの食品は多数ありますが、こちらについては以前に以下の有料記事で解説しましたので、より詳しい内容を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

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まとめと編集後記

今回は食事からシワにアプローチする方法について解説しました。シワの発生メカニズムを正しく理解しこれらに適切に対処することで、化粧品によるシワの改善効果を更に高めることが出来ると考えられます。

美しい肌を実現するためには、化粧品だけでなく食生活や運動など総合的な生活習慣を改善していくことが重要です。ぜひ本記事を参考にして、シワを改善する食事を皆さんの食生活に取り入れてみて下さい。

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今週も読んで頂きありがとうございました。そして今回が今年1回目のニュースレターとなりました。今年も皆様に楽しんで頂けるよう、科学的根拠に基づいた美容情報を毎週発信して参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

そして今年は更にニュースレター活動に力を入れていきますので、ぜひ今後の発信もお楽しみにしていただければと思います。それではまた来週、お会いしましょう!

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